美容師には「月に◯人のヘアカットをする」というノルマを課せられることがあります。カットができるのはスタイリストになってからなので、主にスタイリストに課せられるノルマです。
シャンプーやトリートメントなどの、商品の販売に関するノルマです。シャンプーはアシスタントが行うことが多いので、アシスタントに課せられる場合が多いでしょう。
アシスタントからスタイリストにステップアップするためのノルマとして、ヘアモデルのカットをノルマとして課している店もあります。「◯人のカットをしたら合格」というように、カット技術を向上する目的としてノルマが課せられます。
スタイリストには「指名をどれだけもらえたか」をノルマとしている店もあります。指名はリピーターになってくれた証拠でもあるため、店の利益につながる部分です。たくさん指名をもらえるスタイリストは、ノルマも達成しやすく評価されやすいでしょう。
アシスタントに多いノルマですが、店の宣伝をするために「チラシを◯枚配る」「クーポンを配布する」といったノルマを課せられます。最近はSNSやブログを活用することも多いですが、街頭でチラシ配りをする店もあるようです。
ノルマを達成できないとペナルティが課せられるイメージがありますが、最近はノルマを達成できないからといってそのような罰を与えられることは少ないでしょう。ノルマはあくまでも目標という位置付けで、仕事への意欲を高めるために取り入れている店が多いです。
そのためノルマが達成できないからといって給料を減らされたり、仕事をさせてもらえないということはまずありません。もし何かしらのペナルティがある店は、ブラックな職場環境なので転職を考えた方が自分のためです。
ノルマに対するペナルティはありませんが、達成できた際にはご褒美をもらえることが多いようです。美容師の場合は、インセンティブの支給が一般的です。
インセンティブとは、元々は「動機付け」「刺激」「誘因」の意味があり、ビジネスにおいては社員のやる気を引き起こすための外的刺激のことを意味します。インセンティブは、仕事の頑張りや目標達成に応じて会社から支払われる成果報酬になります。
店によってノルマの内容やインセンティブの額には違いがありますが、ノルマを達成したら評価をされて頑張りを認めてもらえます。給料アップをモチベーションにして、ノルマ達成に向けて頑張る美容師が多いでしょう。
<メリット>
ノルマは仕事に意欲的に取り組むきっかけになります。ただ何の目標もなく働いていても、何を目指して頑張ればいいのかわからなくなりがちですが、ノルマという具体的な数字の目標があると、そこに向けて努力することができます。
そのため自然と仕事に熱心に取り組むことができ、モチベーションを高く持って美容師を続けることにつながります。
ノルマを達成するとインセンティブが支払われるため、給料が上がります。同じ美容師でも頑張り次第で差をつけることができるため、実力勝負の美容師にとっては良い刺激になるでしょう。
美容師のノルマは「一ヶ月で◯人の指名をもらう」「カットを◯人行う」と具体的な数字が掲げられていることが多く、その数をこなせば自然と技術も向上します。技術が向上すればできる施術が増えたりリピーターも増えるため、ますますノルマを達成しやすくなります。
美容師として技術力が上がるのはやりがいを感じられる部分なので、ノルマがあることのメリットといえるでしょう。
<デメリット>
ノルマをネガティブに捉えてしまうと、「プレッシャーがかかる」「精神的に負担を感じる」という状況に陥り、美容師としてのやる気すら失われてしまいます。努力しても必ず結果が伴うとは限らず、そうするとノルマが働く上で邪魔な存在になってしまう場合もあるでしょう。
特にプレッシャーに弱い人や制限がある環境にストレスを感じる人は、ノルマがない店の方が合っているかもしれません。
ノルマを意識するがあまり、お客様に押し売りや強引な接客になってしまうリスクもあります。特に商品の販売ノルマを課せられている場合は、お客様が求めてもいない商品を無理やりお勧めしたり、お客様の意見を無視した接客になることも。
そうすると美容師どころか店の評判を落とすことにもなりかねないので、ノルマがあってもプロとして一流の接客をしなくてはいけない部分に難しさを感じるでしょう。
美容師のノルマ事情についてご紹介しました。ノルマは悪いことばかりでなく、仕事の意欲を向上させる効果もあるため、上手に自分の中に取り込んで、良い刺激と捉えるようにしましょう。
もし不安があるなら、ノルマがない店を探すのも一つの選択肢です。自分に合った職場環境であることが、美容師として長く活躍し続けるポイントなので、美容師を目指す人はぜひご参考にしてみてくださいね。