まつ毛エクステやまつ毛パーマの施術を行う人を、アイスタイリストと呼びます。美容業界の中でも、近年人気の高い職種です。そんなアイスタイリストになるためには、資格や経験がないと働けないのでしょうか?
今回は、アイスタイリストになるための方法や仕事内容、必要な資格や費用について詳しく解説します。
INDEX
アイスタイリストは、まつ毛エクステやまつ毛パーマなどの施術をして、目元を華やかにする仕事です。まつ毛以外にも、眉毛を整える施術を行うサロンもあります。
施術では、専用のグルーや道具を使って、まつ毛に植毛したり形を整えたりと、専門的な技術と知識が求められます。以前は資格がなくても働ける仕事でしたが、2008年以降は美容師免許がないと施術を行うことができません。
アイスタイリストは、主にまつ毛エクステやまつ毛パーマの施術を行う専門のサロンや、美容院、エステサロンなどに勤務します。
近年は、まつ毛エクステやパーマを行う人が増えてきているため、アイスタイリストの需要も高くなっているでしょう。
アイスタイリストになるためには、まず美容師免許の取得を目指す必要があります。美容師免許は、美容専門学校に2年間(通信なら3年間)通って、試験を受けて合格すると取得することができるため、最低でも2年間はかかります。
また、サロン勤務をし始めても最初はアシスタントやジュニアアイスタイリストという扱いが多いため、一人前としてデビューするためには半年から1年程度はかかるでしょう。
中学/高校卒業
美容専門学校
(厚生労働大臣指定の養成施設)
昼間課程:2年間
夜間課程:2年間
通信課程:3年間
美容師国家試験 受験
美容師免許 取得
サロンに就職
アイスタイリスト デビュー
アイスタイリストになるためには美容師免許が必須ですが、アイスタイリストに関連する民間の資格もあります。
アイスタイリストの資格は、
「日本アイリスト協会(JEA)|アイリスト技能検定試験」
「NEA日本まつ毛エクステ協会|プロアイリスト検定」
「一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構(JECA)|アイデザイナー技能検定
があります。美容師免許のように必須の資格ではありませんが、資格があると採用に有利になったり技術力の証明になったりと、アイスタイリストとして働くメリットが多いでしょう。
元々はまつ毛エクステやまつ毛パーマの施術に資格は必要なかったのに、なぜ美容師免許がないと働けなくなったのでしょうか?
それは、施術を受けた人の目のトラブルが相次いだことが原因です。資格がなくても働けることでまつ毛エクステやまつ毛パーマのサロンが増えたことにより、専門知識や技術力がないアイスタイリストも増加。その結果、「目の充血」「まぶたの腫れ」などのトラブルの報告が急増する事態に発展してしまいました。
そのような危害を防ぐために、厚生労働省が2008年3月、アイスタイリストに「美容師免許の取得」を義務付けることになったのです。
アイスタイリストになるためには、美容専門学校に通う必要があります。美容専門学校に2年間通った場合、学費は200〜300万円といわれているため、この金額はアイスタイリストになるための最低限の費用です。また、民間の資格を取得するためには、1万円程度の受験費用がかかります。
美容師免許を取得しておけば、アイスタイリスト以外にも、美容師や他の美容業界の仕事に就くことが可能です。美容業界の幅広い知識や技術が身に付くだけでなく、仕事選びの選択肢や可能性も広がるため、決して無駄な資格ではないでしょう。
まつ毛エクステは、地まつ毛に人工のまつ毛を装着して、長さを変えたりカラーを変えたりして、目元の印象を華やかにします。まつ毛エクステ専用のグルー(接着剤)とツイーザー(ピンセット)を使って、まつ毛1本1本に装着する作業なので集中力が必要です。
まつ毛エクステの施術は、地まつ毛の根元から1mm〜1.5mmの位置に装着するため、緻密さが求められます。また、エクステといっても長さ・色・カールの形状など、様々な種類があるため、事前のカウンセリングでお客様の要望を丁寧に聞き出すことが大切です。
まつ毛パーマは、エクステのように人工のまつ毛を装着するのではなく、地まつ毛をカールさせる施術です。専用のロッドにまつ毛を1本ずつ巻きつけて固定し、パーマ液を使用してカールをつけます。
まつ毛パーマの中には、地まつ毛を80度立ち上げてまつ毛の長さを最大限に出すパリジェンヌラッシュリフトという種類もあります。お客様のなりたい姿を丁寧にヒアリングして、最適な施術を提案する必要があるでしょう。
まつ毛以外にも、眉毛のケアを行うサロンもあります。眉毛の形を整えたり眉メイクのレクチャーをしたりと、美眉を目指す施術です。
まつ毛エクステやまつ毛パーマとセットで施術を希望するお客様も多いため、まつ毛や骨格の印象に合った、眉毛のデザインを提案する必要があるでしょう。
施術以外の時間は、サロンの清掃、施術で使用する道具の準備やお手入れ、予約管理、SNSやブログの更新などの業務を行います。また、まつ毛美容液やスキンケアアイテムなどの商品の販売を行うサロンでは、在庫管理も業務に含まれます。
出勤したら、サロンの掃除や開店準備をします。施術で使う道具の準備や、その日の予約状況の確認、また朝礼やミーティングをする場合もあります。
身だしなみを整えたり制服に着替えたりと、自分の準備も忘れずに行います。
来店されたお客様の受付をしたら、カウンセリングを行います。まつ毛エクステなら、エクステの長さやカールの形、本数や色などを聞いて、施術に関する確認事項や体調のチェックをしてから、施術をするのが一連の流れです。
施術後はお会計をして、お見送りをします。お客様が帰られたら、施術内容をカルテに記入したり後片付けをして、次のお客様を迎える準備を行います。
休憩はサロンのバックヤードや休憩室を使います。近くに飲食店がある場合は、外でランチをすることも可能です。
アイスタイリストは施術をする時のお客様との距離が近いため、お昼ごはんに匂いのきつい料理を食べるのは避けましょう。
午後の勤務も、午前と同じくお客様対応や施術が中心です。お客様の予約がなければ、SNSの投稿やサロンの掃除、在庫や備品管理などの業務を行います。
閉店作業は、レジ締めや日報の記入、施術で使用した器具やリネン類の交換などを行います。お客様の予約状況や施術内容によっては残業が発生することもあります。
また、新しい器具や技術を導入する時は、閉店後に研修や勉強会を行うこともあるでしょう。
サロンの施錠をして、退勤します。
アイスタイリストの働く場所は、まつ毛エクステやまつ毛パーマの施術を専門に行うアイラッシュサロンで勤務します。もしくは、美容室やエステサロンなどで働くことも可能です。
また、フリーランスのアイスタイリストは、店の一部やスペースを利用する「面貸し」で働く人も多いでしょう。
アイスタイリストは、サロンの営業時間によって働き方が異なります。営業時間が長いサロンでは、早番と遅番に分かれて働くのが一般的です。土日は出勤する必要があるため、休みは平日にとることができます。
まつ毛エクステやまつ毛パーマの施術は、美容に気を使う女性にとって欠かせない身だしなみの一つとして定着しているため、今後もアイスタイリストの需要は高いでしょう。
アイスタイリストのキャリアアップは、店長やマネージャー、講師などの道がありますが、経験や実績が必要になる場合が多いため、狭き門といえます。アイスタイリストとして長く活躍したい人は、独立して開業したりフリーランスとして働いたりと、働き方を変える人が多いでしょう。
正社員(月給):216,615円
アルバイト・パート(時給):1,181円
契約社員(月給):240,000円
アイスタイリストの給与は、経験や実績次第ではさらに稼ぐことも可能です。サロンによっては、インセンティブの支給を行っているところもあります。
店長クラスになると月給は30万〜40万円近くになる場合もあるため、頑張り次第では高月給を目指すことができるでしょう。
女性の「きれいになりたい」という要望を叶えることができるアイスタイリストは、お客様に感謝されることが多い仕事です。きれいになった目元を見て「ありがとう」という言葉をかけてもらうと、アイスタイリストとしての喜びややりがいを感じるでしょう。
アイスタイリストはまつ毛エクステやまつ毛パーマを施術するための、専門的なスキルが身に付きます。手に職をつけることができると、自分の自信につながり活躍の幅が広がるでしょう。
アイスタイリストは最新の美容情報に詳しくなれるため、自分自身の美意識も向上します。新しい技術を導入する時は勉強会をしたり、商品の販売を行うサロンでは商品知識を身に付けたりと、美容に詳しくなれることはアイスタイリストの特権といえるでしょう。
アイスタイリストとしての技術力が高いと、お客様に指名をしてもらえます。それはアイスタイリストとして信頼をされている証拠です。指名がもらえると指名料が入るため、給与もアップし、仕事へのモチベーションも上がるでしょう。
アイスタイリストは美容が好きな人が活躍できる仕事です。自分自身も美意識が求められますが、それよりも「人を美しくするお手伝いがしたい」という気持ちが強い人は、アイスタイリストとして成長できるでしょう。
まつ毛の施術は非常に繊細で細かな作業です。1時間〜2時間程度、細かな作業をし続けなくてはいけないため、集中力が必要になります。
細かい作業が得意な人は、アイスタイリストに向いているでしょう。
美容師の転職先としても人気のアイスタイリストの仕事。美容師は、長時間の立ち仕事による体力的な負担、拘束時間の長さ、薬剤による手荒れなどが原因で、辞めてしまう人も少なくありません。
一方でアイスタイリストは、美容師に比べると働きやすい労働環境が特徴です。せっかく取得した美容師免許を活かせることも、アイスタイリストの魅力なので、美容師から違う仕事を考えている人に向いています。
まつ毛エクステやまつ毛パーマを施術する人のことを、様々な呼び方をするため、一体どのような違いがあるのか困惑する人も多いと思います。
これらは、協会によって呼び方が異なります。ただ呼び方は違えど、まつ毛エクステやまつ毛パーマを施術する人であることに変わりありません。
アイリストという呼び方は、「有限会社ローヤル化研」が商標登録したことにより、許可がないと使用できなくなりました。そのため、許可なくアイリストと名乗ってしまうと、罰則の対象となるので注意しましょう。
アイスタイリストやアイデザイナーは、誰でも名乗ることが可能です。
アイスタイリストになるためには美容師免許が必須のため、まずは美容専門学校に行って資格の取得を目指しましょう。今後もアイスタイリストの需要はますます増加すると考えられるため、スキルや技術を活かして働きたい人は、挑戦してみてはいかがでしょうか?