美容部員が未経験からでも始められるお仕事である理由の一つに、各企業の研修制度がしっかりと確立されているというのが挙げられます。研修期間は一般的には外資系の方が2週間程度の研修、国内ブランドの方が1か月以上と長くみっちりと行われることが多いです。研修場所は、本社で行う以外に研修施設などに泊まり込みで行うことなどもあります。また、派遣会社に所属している方は派遣会社の研修を受けることになります。
2週間前後の短期間の研修は、短期間で知識や技術などを詰め込まなければいけないため大変な部分がありますが、すぐに店舗デビューができるというメリットがあります。反対に1か月以上の長期の研修は店舗デビューまでが長い分じっくりと知識を身に着けられるので、接客の経験やコスメの知識が全くなくても研修が終わる頃には自信を持って店頭に立つことができます。
入社して研修期間の間に学ぶことはたくさんあります。接客やタッチアップのスキルのイメージが強いですが、実はそれだけではありません。お客様の大事なお肌を扱うお仕事なので、まずは座学から始まります。座学で学んだことは次の日テストを行い、しっかりと覚えるような流れになっています。その後、よくイメージされるようなロールプレイング式の研修を行います。多くは研修生同士でお客様と美容部員という役割を交代で行い、実践的に身に着けます。
座学で学ぶ内容(一部例)
・皮膚知識
・商品知識
など
ロールプレイングで身に着ける内容(一部例)
・メイクスキル
・スキンケア方法
・接客マナー
・販売のノウハウ
など
ほとんどの企業は研修が終了して店舗に立った時も先輩がフォローをしてくれるような仕組みを整えるなど、未経験の方でも働けるノウハウがあるので安心です。
華やかで綺麗なイメージがある美容部員ですが、研修はなかなか体育会系です。上下関係を重んじる傾向もあるので、そのような点で大変と感じてしまう方もいるかもしれません。また、勉強することや実践的な練習も数をこなして覚えていく必要があります。そのような点が研修が厳しいといわれる要因です。
華やかなイメージの裏に厳しい研修があるのは、美容部員はブランドの顔となる存在だからです。そのため、曖昧な知識で商品をご案内してしまったり、お客様が不快に感じてしまうような接客が無いようにすることが美容部員の研修の目的です。厳しい研修ですが、その後はプロとして自信を持ってお客様にご案内ができるようになりますよ。
採用が決まり、さっそく研修!となった時に気になるのが服装です。研修生の時点では制服を渡されることはあまりない為、自分で洋服を持って行く必要があります。それでは、どんな服装で行くのがベストでしょうか。
実際に経験された皆さんは「スーツ」で参加したという体験談が多く挙がっています。そのまま店頭に立っても問題が無いような服装でいることがベター。また、タッチアップ研修の際に汚れてしまうこともあるので汚れが目立たないようなグレーのトップスで行った、という先輩もいました。また、合宿で行うような研修では、講義の時間以外は普段着でも問題ありませんが、あまりにもだらしのない恰好はしないように注意しましょう。
研修期間から「見られる」意識をもってキレイな装いでいることがポイントです。
新人研修が終わったらもう研修は終了!というわけではありません。入社後も定期的に研修を行っている企業が多いです。新商品がシーズンごとに発売されますので、その際に新商品をお客様に紹介できるようになるためという理由があります。そして、さらに接客スキルを向上させるために行うこともあります。企業やブランドによっては海外研修がある場合もあるようです。
更に、ベテラン美容部員が日々行っている勉強法として、自分自身も他社のサービスを受けてみるという方が多くいます。他社の商品を知ることで自社の商品と比較をし、他の美容部員の方の立ち居振る舞いを客観的に見たりすることで接客スキルに磨きをかけています。
ここまで読んで「ちょっと大変そう・・・」と感じてしまう方もいるかもしれません。美容部員はお客様のお肌を扱うデリケートなお仕事です。お客様に合った商品を紹介したり、綺麗にタッチアップをしたり、心地よく過ごしていただくための接客スキルが求められたりします。そのため、どうしても店頭に立つまでの下準備が必要となります。
しかし、研修で受けた内容は美容部員のお仕事以外でも役立つ一生ものの知識です。また、研修では自分と同じような人が多くいて、お互いに助け合い励まし合いながら研修を受けて仲良くなったというエピソードもあります。
お客様に自信を持って接客ができるよう、研修期間に多くのことを身につけましょう。