エステティシャンといっても雇用形態によって働き方が異なります。まずは雇用形態によってどのようなメリットとデメリットがあるのかを知っておきましょう。
正社員のエステティシャンは、サロンに就職をして所定労働時間をフルタイムで勤務する働き方です。場合によっては残業が発生することもあるでしょう。
正社員のメリットはなんといっても安定した働き方ができるという点。月給制で収入が決まっているため、日々の暮らしも安定します。正社員のエステティシャンはインセンティブの支給や様々な手当がつく場合もあり、さらに収入アップを目指すことも可能です。ボーナスや退職金があるのも正社員だからこそ受けられる待遇といえるでしょう。
給料以外にも、福利厚生やキャリアアップ、産休・育休の取得があるため、女性が長く働き続けられる環境も魅力です。
正社員で働くデメリットは、仕事への責任感やプレッシャーがかかるという点です。就職したからには責任ある行動やエステティシャンとしての自覚を持って働かなければいけないため、仕事で求められることも多く、また結果を出さなくてはいけません。
さらに残業や休日出勤、転勤があるサロンもあるため、その時の状況に応じて臨機応変に対応する必要もあります。
正社員は雇用が安定する反面、すぐには辞められないこともデメリットの一つです。そのほかにもアルバイトのミスのフォローをしたり、新人スタッフの指導、お客様のクレーム対応など、非正規雇用よりも仕事量や任せられる業務が多いことも負担に感じやすいでしょう。
エステティシャンはアルバイトやパートの求人も多く、未経験者やブランクがある人でも働ける環境が整っています。「エステティシャンとして働きたいけどいきなり正社員として働くのは…」とエステティシャンの適性があるかわからない人にとっても、アルバイト・パートなら挑戦しやすいでしょう。
また学生やフリーター、子育て中の主婦でも、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるのもメリットです。さらにサロンによっては正社員を目指すことも可能なので、アルバイト・パートからキャリアアップをする道もあります。
アルバイト・パートのデメリットは、正社員と比べると雇用が不安定な点。いきなり解雇されることは基本的にはありませんが、サロンの経営状況によってはシフトを減らされたり勤務時間を削られることもありえます。また時給制のため休んでしまうとその分給料が減ってしまうのも辛い部分です。
またボーナスや受けられる待遇もアルバイト・パートでは少なく、正社員と同等の仕事内容をしているのにも関わらず不満が募る場合も。社会的な信用も低いため、家を借りる時やクレジットカードを作る時などに影響があることも不利な点です。
エステティシャンは派遣として働く方法もあります。派遣会社に登録をして自分の希望にマッチする職場を探してもらえたり、何かトラブルが発生した時や困った時はフォローしてもらえるため、効率重視の人に適した働き方です。
派遣は働く期間が決まっており、様々なサロンで働いて経験を積むことも可能です。環境の変化はいい刺激となり、自分に合ったサロンややりたいことが見つけやすい働き方といえます。
派遣はある程度の経験やスキルがある人でないと、受け入れてもらえない場合も。即戦力となるような人材を求められるため、実績や自分の強みがないと難しいかもしれません。
また同じサロンで働き続けることはできないため、仕事や人間関係に慣れてきた頃に違う派遣先に勤務することになり、環境の変化が起こりやすい働き方です。収入や雇用が不安定な点も派遣のデメリットなので、そのことを踏まえた上で働く必要があるでしょう。
エステサロンは個人店とチェーン店があります。どちらにもメリットとデメリットがあるため、自分に合うサロン選びをするためにも、その違いをご紹介します。
個人店は、地域に根付いた小規模なサロンであることが多いでしょう。そのため常連さんとは顔なじみで親しい関係性になれるのも特徴です。自宅から通勤しやすいのも便利な点でしょう。
仕事内容は、施術、カウンセリング、サロンワークが中心ですが、地元のショッピングセンターでイベントを行ったり、チラシ配りをすることもあります。
個人店はアットホームで居心地の良さがメリットではあるものの、給料があまりよくなかったりキャリアアップを目指しにくい環境がデメリットといえます。上昇志向の強い人や刺激を求める人には不向きかもしれません。
チェーン店は、テレビCMや広告を出している誰もが知る有名なエステサロンです。そんな有名なサロンで働けるという誇りや、実績を身につけることができるのはチェーン店だからこそ。
キャリアアップを目指せたり充実した研修制度が整っている点も、チェーン店で働くメリットです。
一方でチェーン店で働くと転勤が伴うこともあります。正社員のエステティシャンならその点は覚悟しておいた方がよいかもしれません。またチェーン店はエステティシャンの人数も多く、人間関係に悩まされたり自分の頑張りを評価されにくいといったデメリットも。キャリアアップを目指せる環境だとしても、自分のスキルや強みをアピールするには、努力と結果を残さないと難しいかもしれません。
フェイシャルエステは、顔から首、鎖骨辺りのケアを行います。肌悩みは、シミやシワ、毛穴、たるみなど一人一人によって違うため、お客様に合った施術をすることが求められます。
フェイシャルエステサロンで働くエステティシャンには、肌の構造や知識、スキンケアの知識などが必要になります。またフェイシャルマッサージやメイクアップの技術を求められることもあります。施術は主にハンドエステが多いですが、肌悩みに応じて専用の機器を使用することもあります。
痩身を行うサロンでは、見た目の美しさを目指した全身のケアを行います。脂肪のついたお腹周りや下半身のむくみ解消、美肌になるためのケアやリラクゼーションなど、部位や目的によって適した施術をします。痩身を目的としたハンドエステや専用の機器を使い、お客様のなりたい姿になるためのコースの提案やメニューを作ることが求められます。
痩身サロンでは全身を使って施術を行うため、エステティシャンには体力が必要になるでしょう。
脱毛サロンは、全身のムダ毛処理を行います。エステティシャンは医療脱毛ができないため、光脱毛やワックス脱毛の施術が一般的です。脱毛サロンでは脱毛の施術のみ行うことが多く、毛周期や脱毛の仕組みなどの専門的な知識や技術が必要になるでしょう。施術は脱毛を行う専用の機器を使用します。
最近は脱毛サロンを利用する人も増えているため、人気店の場合は予約でいっぱいになることも。仕事は忙しいですが、自分自身も脱毛を受けられるなどの、うれしい待遇を設けているサロンも多いようです。
エステサロンといっても、雇用形態や規模、施術内容によっても働き方は様々です。初めてエステティシャンを目指す人にとっては、「どんな働き方が自分に合っているのかがわからない」と感じると思います。
まずは自分の興味のある施術や働きやすそうな雰囲気のサロンを選ぶようにしましょう。人間関係を重視したいならアットホームなサロン、キャリアアップを目指したいなら大手の有名サロンが合っているでしょう。
ただ多くのサロンは知識や技術がなくても、充実した研修制度を設けているため、未経験でも安心してスタートすることができます。
もし「今のサロンを辞めたい」と感じているなら、現状で何が不満なのかを明確にして、転職することをおすすめします。
もしお客様との距離感をより密接に感じたいのであれば、チェーン店ではなく個人店の方が向いているでしょう。今よりも状況が改善され、ステップアップできる環境のサロンを探すことが大切です。
エステティシャンの働き方には、様々な選択肢があります。自分に合う働き方を見つけるためには、実際に働いてみないとわからないことが多いので、まずは挑戦する気持ちが肝心です。
その経験をもとに、自分の性格やライフステージに合った働き方ができると、無理なく仕事を続けることができるでしょう。