エステティシャンは技術だけを磨けばいいというわけではありません。お客様に対しておもてなしの気持ちを持って接客をすることが、何よりも大切なこと。心地よい時間を過ごしてもらうためには、基本の「笑顔」を常にキープできるように心掛けましょう。
ただ笑顔といっても、そこはあくまでもエステティシャンであることを踏まえなくてはいけません。大きな口を開けて笑うような笑顔は、接客をする上では下品な印象を与えてしまいます。エステティシャンとしての理想は、口角を上げてニッコリと優しく微笑むような笑顔。その笑顔は上品で安心感を与えることができるので、まさにお客様に心地よさを感じてもらえるのです。”美のプロであること・リラックスをしてもらうこと”の二つを意識すれば自然と理想的な笑顔になれるでしょう。
心地よさを提供するには「話し方」も気にかける必要があります。いつも友達とおしゃべりをするような話し方は、気心が知れている関係のためどうしても声が低くなったり言葉遣いが乱れがちになります。その状態では接客マナーとしては不適切。お客様と接するのであれば声はワントーン上げて、ゆったりとしたスピードで話すようにしましょう。ハキハキとしてスピードの速い話し方は快活な印象を与えますが、心地よさは感じにくくなります。
また、お客様の話す内容は否定をせず、どんなこともポジティブな返答をするようにしましょう。お客様が明るい気持ちになれるような接客を意識したいですね。
エステに通うお客様は美意識が高く、感度も高い方が多いものです。そのようなお客様に満足してもらえるような「気配り」は技術と同じくらい大切にしておかなくてはいけないこと。まずサロンの衛生状態は常に清潔に保たれている必要があります。お客様が直接肌に触れるタオルやそれ以外のリネン類、スリッパやロッカー、お手洗いに至るまで、念入りに洗濯や掃除をしておかなければなりません。少しでも汚れていたり悪臭などがあると、お客様に不快な思いをさせてしまうことにも繋がります。いくら技術が優れていても、不衛生なサロンには通いたくなくなりますよね。
心地よいサービスの提供には、温度管理も含まれます。部屋の温度が暑すぎる、もしくは寒すぎたりすると、せっかくリラックスをしにきているのに、逆にストレスを与えてしまうことになります。お客様によっては適温ではないことを言い出せずに、我慢してしまう方もいるかもしれません。施術する側と受ける側では感じる温度に違いが生まれやすいので、お客様が快適に過ごしてもらえる空間づくりを提供することも、エステティシャンの重要な仕事といえるでしょう。
リラックスするにあたって、照明や音の存在は欠かせないものとなります。少し暗めの照明とリラクゼーション効果の高いサウンドを流して、視覚と聴覚からも心地よさを感じられるようにしているサロンが多いと思います。そんな照明と音も、一歩間違えば不愉快な捉え方ができてしまうのも事実。例えば、肌の露出が多いエステなのに明るすぎる照明だと、恥ずかしいと感じるお客様もいます。リラックスムードも半減してしまうことに。
また音に関しては、心地よい音楽を流しておけばいい、という考え方ではNG。スタッフ同士の会話や他のお客様との会話、物音や周辺の騒音にまで気を配ることが求められます。最高のサービスを提供するには、ホスピタリティの精神を持つことも忘れずにしておきましょう。
ホームページ・チラシなどの情報を正しく提供できているか?
まずお客様がご来店してもらうきっかけとなる、ホームページやチラシでの宣伝。そこに書かれている情報を元に来店へと繋がるので、正しい情報を提供しなくてはいけません。嘘の情報や誇大広告ともとれるようなキャッチコピーなど、お客様に誤解を与えてしまってはトラブルになってしまいます。初めての来店をいかに心地よいものだと感じてもらえるかで、リピーターになるかどうかが決まるため、入念にチェックして情報を提供するようにしましょう。
スムーズに予約できたか?文面や声のみの応対でいい印象を与えられているか?
施術の予約を受ける際にも、接客のマナーが現れる瞬間。むしろ直接目と目を見て接しているわけではないので、より接客マナーが問われるといってもいいでしょう。予約のご案内がスムーズにできると、お客様に好印象をもたれます。また電話の応対やメールの返信の早さや文面も気をつけておきたいポイント。相手の顔が見えない分、ホスピタリティの気持ちを持って接するように心掛けておきたいですね。
ご案内がスムーズか?わかりやすいか?
お客様が来店されたら、店内へと誘導します。お待ちいただく際のソファへの誘導やお手洗い、施術をする個室への誘導などが、的確でスムーズでなくてはいけません。もたもたして時間がかかってしまうと、施術をする前に不安な気持ちにさせてしまうことになります。気持ちよく施術に入るためにも、ご案内の手順はしっかりと把握しておきましょう。
カウンセリングの応対、お客様に合ったサービスを提供できているか?
エステティシャンとしてのトークやマナーを感じられる接客は、お客様とコミュニケーションをはかれる時間でもあります。肌の悩みやトラブル、こうなりたいという願望などを何気ない会話から引き出して、お客様に合ったサービスを提供するようにしましょう。
接客後のアフターカウンセリング
施術後のアフターフォローがしっかりできているか?勧誘ではなくオススメを
施術を受けたお客様のアフターフォローもしっかりと行うようにしてください。施術時に不快な点がなかったか?肌の痛みやかゆみなどはないか?といったことから、お客様にベストな商品のご案内を、会話の流れでできるといいですね。押し売り感を出さないためにも、オススメをする感覚でお伝えするようにしてください。
接客したお客様の情報を正しくカルテに記入できているか?スタッフ間で共有できているか?
お客様が帰られたらそれで仕事は終了、ではありません。その日会話した内容や興味を示されていたこと、購入された商品などのお客様の情報をカルテに記入しておく必要があります。正確に丁寧に記入しておくと、次回の来店の際にスムーズに接客をすることができます。また他のスタッフの方とも情報共有をして、サロン全体でおもてなしの気持ちを持つようにしておくことが大切です。
エステティシャンはまず技術を磨くことが重要だと思われますが、それだけでは理想のエステティシャンとは言えません。何よりおもてなしの心とサービス精神を持って、お客様に心地よく過ごしてもらうことを常に意識しなくてはならないのです。「あなたに接客してもらって良かったわ」と言ってもらえるような対応を目指したいですね。