美容師には髪や頭皮に関する基礎知識が求められます。髪と頭皮の構造や性質など、美容師として必須の基礎的な内容になるので、正しい知識を身につけましょう。
カラーやパーマの施術で使用する、薬剤の知識も必要です。それぞれの薬剤の特性や仕組み、使用方法や注意点なども把握しなくてはいけません。
お客様に安心して施術を受けてもらうためには、美容師には衛生管理の知識も求められます。衛生管理の知識は時代によっても変化するので、美容師になってからも定期的に講習に参加するなど、知識の見直しや向上を目指すことが大切です。
美容師として働く上で、美容師法の知識は身につけておかなければいけません。国家資格である美容師免許の取得の条件や美容師の定義、美容業や衛生面に関することが法律で決められています。美容師になる人なら必ず知っておくべき知識です。
美容師の技術力が明確にわかるのがカット技術です。お客様の髪質やクセを見極め、一人一人に合ったカットを行います。
ショート、ボブ、ロングなどのレングスの違いによってカットの方法を変えたり、骨格や頭の形、また量や全体のバランスも考慮しながら、お客様の要望通りの髪型を仕上げなくてはいけないため、高い技術力を要します。
パーマやカラーによって、印象はガラッと変わります。パーマはロッドの巻き方や複雑な工程を把握して、ミスなく施術する必要があります。カラーは薬剤の選定や調合によっても仕上がりに違いが生まれます。
またお客様の施術履歴によってもできることとできないことがあります。それらを瞬時に決断する判断力と美容師の技術力が試される部分です。
美容師にはカウンセリング技術が求められます。施術の前に、お客様の要望や悩みを丁寧にヒアリングし、どのような髪型にしたいかをじっくり話します。カウンセリングを適当にしてしまうと、お客様の仕上がりに影響が出たり最悪の場合、クレームにもなりかねません。
カウンセリングでは過去の施術の履歴やアレルギーの有無、体調のチェックなども行います。
美容師には専門的な知識や技術が求められますが、それと同じくらい大切なのがお客様とのコミュニケーション能力です。コミュニケーション能力は、お客様の「こんな髪型にしたい」「髪の悩みを改善したい」という要望や悩みを、正しく認識するために必要なスキルです。
また施術中の会話はお客様との信頼関係を築く上で、大切な役割を持ちます。ただ中には施術中はゆっくりと過ごしたいというお客様もいるので、臨機応変に対応しなくてはいけません。
安心して施術を受けてもらうためにも、美容師はお客様とコミュニケーションを取りながら、丁寧な対応を目指す必要があります。
スキルの高い美容師は常に技術の向上を目指すために、カットの練習をしたり新しい薬剤の知識を身につける勉強をしています。特にアシスタント期間は、営業後に残ってカット技術を磨く美容師が多いでしょう。
スタイリストになってからも、お客様のニーズに応えるために、さらなる技術力の向上をさせる必要があります。
美容師にとってスキルを磨くためには、とにかく経験を積むことです。そのためにはたくさんのお客様の施術を経験する必要があります。
自分が担当したお客様にリピーターになってもらうことで次につながり、その数が多くなればなるほど、スキルが磨かれます。そのためには一人一人のお客様を大切にし、丁寧な対応や施術を心がける必要があります。
最近は美容師の多くはSNSを利用して、集客を図っています。カットモデルに協力してもらい、自分の施術した写真を掲載したり、ヘアアレンジ動画を載せることで、認知度を広めることができます。そうすると自分を指名して来店する人も増え、人気美容師になることも夢ではありません。
お客様の数を増やすことが、スキルアップにつながる一つのきっかけになるでしょう。
美容師には様々なスキルが求められますが、すぐに一人前の美容師になれる人はいません。アシスタント期間からスタートし、スタイリストになってからも常に向上心を持ち、美容師としてのスキルを磨く姿勢をキープすることが、何よりも大切です。