化粧品を買いに行った時に、美容部員に接客をしてもらった経験はありますか?肌の悩みに合ったスキンケア用品を提案してくれたり、親身になって化粧品を選んでくれたり、女性にとっては頼りになる存在ですよね。
そんな美容部員に憧れる人も多いと思いますが、仕事内容や職場環境が気になるところ。今回はそんな美容部員のお仕事について解説します。
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美容部員は百貨店やコスメ販売店などで、化粧品販売を行う仕事です。スキンケア用品やコスメの接客販売、カウンセリングやタッチアップを行い、お客様に最適な商品を提案します。
美容部員には化粧品に関する正しい知識が求められます。またお客様に直接メイクをすることもあるため、メイクアップ技術も身につける必要があります。肌の構造や仕組み、自社ブランドの商品知識にいたるまで、幅広く覚えることがあり、化粧品販売のプロフェッショナルとしての自覚や責任も伴います。
これらの専門的な知識や技術は、入社後の研修で学ぶことができるため経験がなくても働くことが可能です。
スタッフの平均年齢 | 20代を中心とした幅広い年齢層 |
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正社員(契約社員含む)とアルバイトの割合 | 正社員(契約社員含む)90%、アルバイト(パート)10% |
平均月給 | 20万円前後 |
研修期間 | 3カ月~ |
転職者の前職 | アパレル販売、飲食系、美容師、アパレル、会社員、通訳(免税店勤務希望者) |
1番多い年齢層は20代のスタッフです。ブランドや店のターゲット層によっては、30代〜40代の美容部員が活躍しているところもあるため、年齢や経験に応じて働く場所は選ぶことができるでしょう。
ブランドによって研修期間は異なりますが、研修期間は3ヵ月ほど設けられていることが多いようです。中には、基本的な研修を2日間で行い、その後すぐに店舗に配属されるOJTを取り入れているブランドもあります。
一から丁寧に覚えていきたい人は長期間の研修があるブランドへ、実践しながら知識や接客スキルを身に着けたい方はOJTの研修があるブランドを選びましょう。
美容部員の主な仕事内容は接客業務です。来店されたお客様に声をかけ、商品の提案や説明を行います。
肌トラブルの悩みを抱えた人や、メイクのやり方を知りたい人以外にも、プレゼントを探しにくる人もいるため、一人一人のお客様のニーズに応じた接客を心がけましょう。
お客様の肌に直接触れて、化粧品やスキンケアの使用感を試していただくのがタッチアップです。特にファンデーションなどの色選びに迷われるお客様は、タッチアップをすることで自分の肌に合う色を選ぶことができます。色や使用感を試したい人には、タッチアップをおすすめすることが多いでしょう。
美容部員にとってもメリットはあり、実際に試してもらった方がお客様とのコミュニケーションもとれて、信頼関係が築けることにより、購入につながりやすくなります。
化粧品売り場は常に清潔感があり、とてもキレイな状態のイメージがあると思います。そのためには商品の陳列を丁寧に行い、お客様の目を引くディスプレイにする必要があります。
お客様が手にとった商品は元の場所に戻し、新商品が入荷したら店頭に並べるのも美容部員の大切な仕事です。
テスターや什器は指紋などで汚れやすいため、こまめに拭いたり掃除をしたりと衛生面への配慮が必要です。
また顧客管理をするためにデータ入力を行ったり、DMの発送をしたりと事務作業もあります。
美容部員は基本的にシフト制なので、営業時間の中で早番と遅番に分かれて勤務するところが多いでしょう。ここでは早番のスケジュールをご紹介します。
早番の場合は営業時間の30分〜1時間前に出勤をし、開店準備を行います。店内の清掃やその日の予算を確認して、スタッフ同士で意見交換や連絡事項を確認します。
開店したら店頭に立って接客をメインに行います。平日の午前中は比較的空いているので、客注商品の連絡やDM作成などの事務作業をすることもあります。
早番ならこの時間帯に休憩となるので、休憩室や近くのカフェでお昼ごはんを済ませます。美容部員は接客業なので、ニンニク料理などの臭いがきついものは避けた方がよいでしょう。
休憩時間には歯磨きやメイク直しをして、午後の仕事に向けての準備を行います。
休憩の前後に遅番の人が出勤となるので、午前中の業務の報告をします。夕方以降には客数も増えるため、接客が中心となり忙しくなります。商品の発注をする日は、在庫数や売れ行きをチェックして適正な数を発注します。
退勤する時間になると、遅番のスタッフに連絡事項ややり残した業務の引き継ぎをします。接客が長引いた時や繁忙期でない限り、基本的に残業をすることはありません。
遅番の時はレジ締めなどの閉店作業を行ってから退勤する流れになります。
美容部員は資格がなくても働けます。美容やメイクが好きな気持ちがあれば、誰でも挑戦することが可能です。未経験でも入社時に研修を受けて、美容部員に必要な知識や技術を学ぶことができるため、安心してスタートできるでしょう。
ちなみに美容部員が持っていると活かせる資格は、
・日本化粧品検定
・メイクアップ知識検定試験(ベーシック・アドバンス)
・日本メイクアップ技術検定試験
・スキンケアマイスター
・美容師免許
などがあります。いずれも美容に関する資格なので、持っていると知識の証明につながったり、キャリアアップや採用時に有利になったりとメリットがあります。
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美容部員に資格は必要?有利な資格とは?
美容部員に学歴が問われることは、ほとんどありません。多くの企業では、学歴よりも美容部員の適性があるかを採用の基準にしていることが多いでしょう。
美容部員に求められるのは、コミュニケーション能力です。お客様と笑顔でやりとりができたり、お客様の求めることを丁寧にヒアリングしたりと、美容部員は円滑にコミュニケーションがとれる人に向いています。
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高卒でも美容部員になることは可能?
美容部員の多くは20〜30代のため、若い層が活躍できる仕事です。もし、ブランドのターゲット層が若い世代であれば、年齢を重ねてから働くのは難しいかもしれません。
ただ、エイジングケアの商品を展開しているブランドやターゲット層の年代が高い場合、年齢を重ねても働くことが可能です。
また年齢を重ねれば、それまでの経験や実績をもとにキャリアアップができます。
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未経験から美容部員になれるのは何歳まで?いつまで働ける?年齢にまつわる疑問にお答え!
美容部員に向いている人は、
・美意識が高い
・向上心がある
・コミュニケーション能力がある
・聞き上手
などが、あげられます。 美容部員は美容に関わる仕事のため、美意識の高さが求められます。美容の知識や技術なども必要になるので、向上心を持って取り組めるとスキルアップにつながるでしょう。
また美容部員は、コミュニケーション能力が高く、聞き上手な人の方が向いています。お客様に適切なアドバイスや提案ができるよう、丁寧なやりとりやヒアリング力が求められるでしょう。
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美容部員に向いている人の特徴は?
美容部員は正社員やアルバイトの求人もありますが、派遣の割外が多い傾向にあります。派遣会社から勤務先となるコスメブランドに派遣されて働くため、憧れのブランドで勤務することもできるでしょう。
派遣なら、シフトや給与など自分の希望する働き方を実現できたり、経験者ならこれまでの経験や実績をもとに活躍できる職場で働けたりと、メリットが多いのも特徴です。
美容部員の派遣の求人はこちら
美容部員のキャリアアップは、店長を目指すことができます。店長は店の責任者としての役割があるため、接客業務以外にも売上管理やスタッフの指導、在庫管理やシフト管理など、店舗運営全般の業務を担当します。
スーパーバイザーになると担当エリアのリーダー的存在として、店舗運営やスタッフ育成に関する業務を担当したり、本社と店舗の橋渡し役になって連携を図ったりと、責任ある業務を任されるようになります。
また、紹介予定派遣で働くといずれは派遣先で直接雇用されるため、正社員として採用される可能性もあります。
雇用形態に関わらず、美容部員として常に向上心を持って真面目に勤務することが、キャリアアップの近道になるでしょう。
美容部員は、結婚や出産をしてからでも働くことができる仕事です。美容部員は女性が活躍しているため、女性が働きやすい待遇を設けている企業が多いでしょう。産休や育休の取得実績がある企業なら、主婦やママになっても安心して働けます。
ただ、美容部員は土日出勤になる場合が多いため、土日は休みを取りづらい部分があります。また美容部員には美容の知識や商品知識、メイクアップの技術など専門的な勉強が必要になるため、入社時に研修を受けなくてはいけません。子育て中のママは家庭と仕事の両立を目指すためにも、フォロー体制が整っている職場を選ぶようにしましょう。
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ママになっても働き続けたい!美容部員の産休・育休制度って?
美容部員はメイクが好きな人が多いです。自分の「好き」を活かせるため、やりがいを感じながら働けるでしょう。
多くのブランドでは社割で商品を安く購入することができます。社割は実際に商品を使用して、使い心地やおすすめポイントなどを把握し、接客に活かすことが目的ですが、通常よりも安く商品が手に入るのは美容部員として働くメリットを感じるでしょう。
美容部員になると、美容やメイクの知識を身に付けることができます。働き始めてからも常に知識のアップデートを意識し、学び続ける姿勢を持つことでキャリアアップにもつながるでしょう。
美容部員になるとメイクが上手になったり美容に詳しくなったりすることで、キレイになる人が多いでしょう。働きながらキレイになれるのは、美容部員だからこそ感じられるメリットです。
美容部員は勤務中はずっと立ちっぱなしの状態のため、足腰への負担がかかる仕事です。家に帰ったらマッサージをして、セルフケアを入念に行う必要があるでしょう。
美容部員は不規則な生活や疲れ、乾燥や外的刺激などを受けやすい労働環境などから、肌荒れに悩まされる人も少なくありません。肌荒れしてはいけないというプレッシャーから、さらにストレスを感じて荒れてしまう人も多いでしょう。
美容部員は、お客様からクレームを受けることもあります。ミスがあった場合は誠心誠意お詫びをしなくてはいけませんが、クレーム対応は神経を使うためストレスが溜まりやすいでしょう。
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美容部員のメリットとデメリットとは?
正社員(月給):268,113円
アルバイト・パート(時給):1,150円
派遣社員(時給):1,371円
契約社員(月給):215,000円
業務委託(時給):1,400円
美容部員は、インセンティブ制度を導入している企業も多いため、頑張り次第で高月給を目指すことも可能です。正社員以外にも、アルバイトやパート、派遣社員も多く活躍しているため、自分の理想やライフスタイルに合わせた働き方を実現することができます。
志望動機は、働く熱意をアピールできる内容を考えましょう。応募先で働きたいと思った理由やきっかけを、具体的なエピソードを交えて答えると好感を持たれます。
面接では「最後に何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。面接官に好印象を与える逆質問を、事前にいくつか考えておきましょう。
面接の受け答え以外にも入退室のマナーや、一連の流れがあります。面接に落ち着いて臨むためにも、入退室の基本マナーはおさえておくようにしましょう。
面接は遅刻は厳禁です。面接時間の5〜10分前には到着できるように、時間には余裕を持って行動しましょう。
また、面接中は姿勢や立ち居振る舞いなどもチェックされています。特に美容部員は接客業なので、表情や態度など細かな部分も見られているため、面接では緊張感を持って丁寧な言動を心がけるようにしましょう。
面接は、清潔感のある身だしなみが基本です。服装や髪型など、面接官に好感を持たれる身だしなみを心がけましょう。
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【回答例あり】美容部員の面接対策|よく聞かれる質問・服装・メイク
美容部員は、知識や経験がなくても始められる仕事です。美容やメイクが好きな気持ちがあれば、向上心を持って取り組めるため、やりがいを感じながら働けるでしょう。
美容部員に興味がある人は、ぜひご参考にしてみてくださいね。